2014年3月31日、ANA最小機材のボンバルディアQ300型機が退役しました。
この日、ANAの保有機材の中で最大のB747-400も退役しました。
花形のB747に比べるとひっそりとした退役でしたが、心に残る姿を見せてくれました。
ラストフライトとフェリーフライトを撮影してきましたのでレポートします。



【Bombardier Q300】


↑JA801K(2011/02/15 羽田空港)


Q300はカナダのボンバルディア・エアロスペース社が開発・製造した双発ターボプロップ旅客機です。
デ・ハビランド・カナダ社が1980年代初頭に開発したDHC-8-100の派生型です。
1992年にデ・ハビランド・カナダ社はボンバルディア・エアロスペース社に買収され、
それに伴いDHC-8シリーズはDASH 8シリーズという名称に変更されました。
また、1996年以降に製造された低騒音型のQシリーズからはQ200、Q300、Q400が
正式な型式となっています。

当時ANAの子会社だったエアーニッポン(ANK)がYS-11の後継機として2001年3月に導入。
2001年7月に羽田-大島線でデビューし、北海道のローカル線や大阪と四国、羽田と離島を結ぶ路線で
活躍してきました。全5機のみの導入で、かつては1機1機異なる花柄の塗装でした。




【ANA Bombardier Q300スペック表】

種 類双発ターボプロップ旅客機
全 長25.7m
全 幅27.4m
全 高7.5m
巡航速度530km/h
航続距離1,000km
最大離陸重量19.5t
エンジンP&WC PW123B
座席数56席(Yのみ)
初導入2001年(ANK時代)
レジ JA801K 元:つばき塗装
JA802K 元:ひまわり塗装
JA803K 元:すずらん塗装
JA804K 元:コスモス塗装
JA805K 元:はまなす塗装      




【2014年3月31日ラストフライト】

ラストフライトは羽田(定刻11:45)発三宅島(定刻12:30)行きのNH1849便。
三宅島の火山ガスの影響で2時間以上遅れての出発となりました。
離陸はしたものの火山ガスの影響で着陸できず、15時半ごろ羽田に戻ってきました。
とても残念なラストフライトとなってしまいました。


↑この日、羽田に就航したLH716便とQ300。この組み合わせもこの日のみとなりました。


↑オープンスポットなのでバスで移動し、機内に乗り込みます。乗客の皆さんが写真を撮っています。


↑14:10、スポットを離れました。




↑正面を向いてしばらく停止。


↑パイロットさんが手を振ってくれました。


↑滑走路に向かいます。


↑14:25、RWY05から離陸。


↑15:20、羽田に戻ってきたNH1849便。そのまま定位置の82番にスポットイン。





【フェリーフライト】

P3駐車場でB747の放水アーチなどを撮影し、第2ターミナルの展望デッキに行くと
Q300は82番スポットに駐機中でした。
フェリーフライトは数日後(整備後)におこなわれるのだろうと思い込んでいました。
ところが16:45ごろにプロペラが回転、RWY34Rから仙台に向けてフェリーされていきました。
離陸時は翼を数回左右に振ってごあいさつ。
「遅い飛行機、ご迷惑をおかけしました」とのパイロットの交信に思わず"うるっ"ときてしまいました。
こんなにすぐにフェリーされると思っていなかったので驚きましたが、撮影できてよかったです。


↑フェリーフライトの準備中。


↑慣れ親しんだ82番スポットを離れます。






↑正面を向いてライトを数回ON/OFF。


↑パイロットさんが手を振ってくれました。


↑展望デッキからもANAの関係者の方や大勢のファンが手を降って見送っていました。




↑離陸はRWY34R。ここから離陸するQ300を見るのは初めてです。


↑もう戻ってくることのない羽田を離陸。


↑翼を左右にフリフリ。










↑最後に美しい離陸を見せてくれました。Q300ありがとう!さようなら。


↑展望デッキではANAの関係者が横断幕を広げてお見送り。


ありがとうQ300!ANA Q300写真集