2013年3月30日、また名機が日本の空から姿を消しました。
マクドネル・ダグラス社製のMD-90型機です。
飛んでいる姿は「白鳥」、地上にいる姿は「ダックスフント」と言われるぐらい
見る角度によってさまざまな表情を見せてくれる機体でした。
今回は多くの人を魅了した「日本最後のダグラス機」を特集します。



McDonnell Douglas MD-90-30


↑JA005D(2011/11/01 羽田空港)


McDonnell Douglas MD-90-30はMD-80の後継機として開発された。
短距離双発機の名機と言われる「DC-9」ファミリーに属し、T字尾翼やリアエンジンなどの
特徴も継承している。1989年に開発がスタートし、1993年に初飛行した。
MD-80シリーズではJT8Dエンジンを採用していたが、MD-90では低騒音・低燃費のIAE製V2500
エンジンを搭載している。エンジンの重量が増えたことから、主翼前の胴体を延長しバランスを
とっている。主翼も延長され、面積も大きくなっている。
L1ドアと胴体尾部にエアステア(階段)を装備しており、設備が充分ではない空港でも乗降が可能。
この特徴を生かし、東日本大震災直後の山形・花巻空港ではMD-90が大活躍した。

1995年に日本エアシステム(JAS)が導入を開始、1996年4月に羽田ー長崎線で初就航した。
JAS時代は故:黒澤明氏のデザインした7種類のレインボー塗装で運行された。
2002年にJALとJASが経営統合してからは、JALの通常塗装に塗り替えられ16機が運行された。
全機がデルタ航空へ売却され、生まれ故郷で活躍することになった。




JAL McDonnell Douglas MD-90-30スペック表

種 類ナローボディ民間旅客機
全 長46.5m
全 幅32.9m
全 高9.4m
巡航速度815km/h
航続距離2,330km
最大離陸重量71.0t
エンジンIAE V2525-D5
エンジン推力11,339kg×2
胴体断面直径3.34m
座席数150席(クラスJ:18席、普通席:132席)
初導入1995年(JAS時代)
レジ JA8004、JA8020、JA8029、JA8062、JA8063、JA8064、JA8065、JA8066
JA8069、JA8070、JA001D、JA002D、JA003D、JA004D、JA005D、JA006D
※全機JAS時代導入機



2013年3月30日ラストデー

便名出発地到着地出発時間到着時間
JL1801東京(羽田)熊本6:258:20
JL1804熊本東京(羽田)9:3011:00
JL1955東京(羽田)奄美11:4014:05
JL1956奄美東京(羽田)14:5516:45
JL1613東京(羽田)広島17:3019:00
ラストフライトJL1614広島東京(羽田)19:4020:55

2013年3月30日、JL1614便(広島ー羽田線)がラストフライトだったが、
暗くて撮影できないため、奄美から羽田に到着したJL1956便と広島へ向かうJA1613便を撮影した。
なお、最終日は別れを惜しむ人たちで遅延が発生し、最終便は定刻よりも50分ほど遅れて羽田に到着。
他の機体がすでに退役していたため、最終日は全フライトJA8029が使われた。




↑MD-90の特徴でもある3つの着陸灯が見えてきました


↑着陸はRWY34L


↑16:45タッチダウン




↑スラストリバーサーとスポイラーを使用し減速




↑第1ターミナル前をタキシング


↑16:56、定刻よりも少し遅れて6番スポットへ到着。


↑17:54、JL1613(東京ー広島便)の出発


ありがとう最後のダグラス機!JAL MD-90写真集