2011年3月1日、一つの時代が終わりました。
世界最大のオペレーターであった日本航空(JAL)からBoeing747、ジャンボジェット機が姿を消しました。
1970年に初導入して以来、112機のB747を運行してきたJAL。
大量輸送を可能にし、日本の高度経済成長を支えたB747に感謝を込めて...
JAL最後のジャンボ、-400型を振り返ります。
コクピット: | クラシック型のアナログ計器からグラス・コックピットとなった。 これにより-400からは2人乗務が可能となった。 |
フェアリング: | 空気抵抗を減らすために、主翼取り付け部にフェアリングを装備している。 |
ウイングレット: | 主翼の先端にウイングレットと呼ばれる小さな翼を装備している。 この翼で翼端渦を減少させることで空気抵抗を減らし、燃費を向上させることができる。 |
主翼: | 主翼は左右それぞれ1.83mずつ延長されている。 主翼延長とウイングレットの装備により、クラシック型よりも全幅が約5m増えている。 |
燃料タンク: | 主翼や水平尾翼内の燃料タンク増設により航続距離を延長している。 |
機体素材: | 機体を軽量化するために新素材を採用。これにより燃費を向上させることができる。 |
エンジン: | エンジンは3社から選択可能となった。 ・ゼネラル・エレクトリック(CF6-80C2) ・ロールスロイス(RB211-524G/H) ・プラット&ホイットニー(PW4000) |
ウイングレット: | 国内線仕様の-400Dではウイングレットは装備されていない。 装備されない理由は下の2点である。 ・短距離では装備してもあまり燃費向上どの効果が得られない。 ・ウイングレット装備により全幅が増すとエプロンや誘導路で使用制限が出てしまう。 |
機体構造: | 頻繁な離着陸に耐えられるように、機体各部の構造を強化。 また、アッパーデッキは-400よりも多くの座席を配置する関係で、床面が強化されている。 |
ギア: | ギアは-400と同じもので強化はされていない。 頻繁な離着陸に対応するため、ブレーキ冷却ファンを装備している。 |
キャビン: | ギャレーやラバトリー(化粧室)を少なくし、座席を追加。 |
窓: | 座席の増加に伴い、アッパーデッキのポートサイド(左舷側)の窓が2つ追加されている。 |
Boeing747-400 | Boeing747-400D | |
全 長 | 70.7m | 70.7m |
全 幅 | 64.9m | 59.6m |
全 高 | 19.4m | 19.4m |
巡航速度 | 916km/h | 916km/h |
航続距離 | 12,300km | 4,170km |
最大離陸重量 | 394.6t | 269.9t |
エンジン | GE CF6-80C2B1F×4 | GE CF6-80C2B1F×4 |
エンジン推力 | 25,930kg×4 | 25,930kg×4 |
座席数 | 266〜416席 | 568席 |
初導入 | 1990年 | 1991年 |
レジ | JA8071、(JA8072)、JA8073 JA8074、JA8075、JA8076 JA8077、JA8078、JA8079 JA8080、JA8081、JA8082 JA8085、JA8086、JA8087 JA8088、JA8089、JA8901、 (JA8902)、(JA8906)、(JA8909) JA8910、(JA8911)、JA8912 JA8913、JA8914、(JA8915) JA8916、JA8917、JA8918 JA8919、JA8920、JA8921 JA8922、(JA401J)、(JA402J) ()はJAL CARGO |
JA8083 JA8084 JA8090 JA8903 JA8904 JA8905 JA8907 JA8908 |
ラストシップ | 運航日 | 便名 | 出発地 | 到着地 | 出発時間 | 到着時間 | |
国内線 | JA8084(国内線仕様機) | 2011/02/20 | JL1024 | 沖縄(那覇) | 東京(羽田) | 11:35 | 13:50 |
国内線 | JA8077(国際線仕様機) | 2011/03/01 | JL3098 | 沖縄(那覇) | 東京(成田) | 10:50 | 13:15 |
国際線 | JA8089(国際線仕様機) | 2011/02/28 | JL75 | ハワイ | 東京(成田) | 09:10 | 13:25(翌日) |