1985年8月12日におきた航空機史上最悪の惨事となった"日本航空123便墜落事故"。
事故の現場となった御巣鷹山(御巣鷹の尾根)の慰霊登山と羽田にある日本航空安全啓発
センターについてのレポートです。
航空機事故の悲惨さを伝え、絶対に風化させてはならないという思いから、34年経った今年
再度特集として取り上げました。




御巣鷹の尾根へ

2019年8月13日、あの事故から34年...
私は再び御巣鷹の尾根へ向かいました。

14年前の2005年にも慰霊登山をおこなっており、現地に行くのは今回が2度目でした。
2005年慰霊登山はこちらをご覧下さい。


ここを左折し、御巣鷹の尾根へ向かいます。


旧登山口。さらに上へと続く道ができており、ここは通行止めになっています。
新しい道は見返り峠のすぐ脇を通ってさらに登ります。


行き止まりまで進むと駐車場があります。駐車場は上下に分かれて2箇所ありますが、
旧登山口の駐車場の方が広いようです。この時は簡易トイレが設置されていました。


現在の登山口。ベンチと案内板、人数確認のためのカウンター、熊よけの鈴があります。
杖と傘まで設置してありました。大切に使いましょう。


登山道は急な場所もありますが、手すりなどが整備されています。


途中のすげの沢のささやき。


30分ほどで「昇魂之碑」に到着しました。以前に比べるとだいぶラクに上まで上がれるように
なりましたが、やはり途中からはキツかったです。
「昇魂之碑」へ上がる階段は今年、新しくなったようです。

お線香をお供えし、手を合わせ祈りを捧げました。


さらに上に行くと以前も印象に残ったまる焦げの木がありました。
"沈黙の木"と名付けられたようです。


たくさんの風車が並ぶスゲノ沢。

できるだけ多くの墓標に手を合わせてご冥福をお祈りしました。
34年経った現在、尾根にはやさしい風が流れていました。
しかし、多くの方がここで亡くなったという事実が消えることはありません。
何年経っても消えることがない人々の悲しみを感じつつ尾根を後にしました。



慰霊の園


慰霊の園にも立ち寄り、お線香を手向けました。


新しく展示棟ができており、事故に纏わる資料を見ることができました。



日本航空安全啓発センター

事故の教訓を風化させてはならないという思いと安全運航の重要性を再確認する場として
日本航空が2006年に設立した研修施設です。
ここには墜落した123便(JA8119)の胴体の一部と遺品の数々が展示されています。
研修施設ですが、研修がない日には一般にも公開されています。
予約が必要ですので、興味がある方は JALのホームページからご予約ください。


羽田空港JALメインテナンスセンター内にあります。


安全啓発センターでいただいた資料。

写真撮影は不可ですので、内部の写真はありません。
事故機の残骸や押し潰された座席、乗っていた方々が身につけていたもの、
写真で見るのとは違うとても重たいものを感じました。
事故の原因となった圧力隔壁も展示されています。
圧力隔壁の小さな亀裂があんなにも多くの命を奪う大惨事を引き起こしてしまったことに
大きな衝撃を受けました。
ボーイング社の修理ミスが原因だったとは言え、加害企業になってしまった日本航空が
自らこのような施設を作り維持するということに、戒めと安全運航への誓いが感じられました。


来年で35年、どんなに時が流れても大切な人を失った悲しみが消えることはありませんし、
決して風化させてはいけないと感じます。
"人を運ぶ"ということには大きな責任が伴うことも忘れてほしくはありません。


520名の方の御冥福を心よりお祈り申し上げます。



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