2014年3月31日、ANAのBoeing747-400型機が退役しました。
ANAは1979年にB747SR-100型機を導入し、最盛期には39機のB747型機を運航していました。
機体の大きさから"ジャンボジェット"の愛称で親しまれ、日本の高度経済成長を支えました。
導入から35年に渡ってANAのフラッグシップとして活躍したB747の特集です。
ここではANAが導入した最終型-400を取り上げます。
コクピット: | クラシック型のアナログ計器からグラス・コックピットとなった。 これにより-400からは2人乗務が可能となった。 |
フェアリング: | 空気抵抗を減らすために、主翼取り付け部にフェアリングを装備している。 |
ウイングレット: | 主翼の先端にウイングレットと呼ばれる小さな翼を装備している。 この翼で翼端渦を減少させることで空気抵抗を減らし、燃費を向上させることができる。 |
主翼: | 主翼は左右それぞれ1.83mずつ延長されている。 主翼延長とウイングレットの装備により、クラシック型よりも全幅が約5m増えている。 |
燃料タンク: | 主翼や水平尾翼内の燃料タンク増設により航続距離を延長している。 |
機体素材: | 機体を軽量化するために新素材を採用。これにより燃費が向上している。 |
エンジン: | エンジンは3社から選択可能となった。ANAの-400、-400DはGEエンジンを装備。 ・ゼネラル・エレクトリック(CF6-80C2) ・ロールスロイス(RB211-524G/H) ・プラット&ホイットニー(PW4000) |
ウイングレット: | 国内線仕様の-400Dではウイングレットは装備されていない。 装備されない理由は下の2点である。 ・短距離では装備してもあまり燃費向上どの効果が得られない。 ・ウイングレット装備により全幅が増すとエプロンや誘導路で使用制限が出てしまう。 |
機体構造: | 頻繁な離着陸に耐えられるように、機体各部の構造を強化。 また、アッパーデッキは-400よりも多くの座席を配置する関係で、床面が強化されている。 |
ギア: | ギアは-400と同じもので強化はされていない。 頻繁な離着陸に対応するため、ブレーキ冷却ファンを装備している。 |
キャビン: | ギャレーやラバトリー(化粧室)を少なくし、座席を追加。 |
窓: | 座席の増加に伴い、アッパーデッキのポートサイド(左舷側)の窓が2つ追加されている。 |
Boeing747-400 | Boeing747-400D | |
全 長 | 70.7m | 70.7m |
全 幅 | 64.4m | 59.6m |
全 高 | 19.4m | 19.4m |
巡航速度 | 910km/h | 910km/h |
航続距離 | 12,370km | 3,830km |
最大離陸重量 | 395t | 272t |
エンジン | GE CF6-80C2B1F×4 | GE CF6-80C2B1F×4 |
エンジン推力 | 26,310kg×4 | 26,310kg×4 |
座席数 | 287〜338席 | 569席 |
初導入 | 1990年 | 1992年 |
レジ | JA8094、JA8095、JA8096、JA8097、JA8098 JA8958、JA8962、JA401A、JA402A、JA403A JA404A、JA405A |
JA8099、JA8955、JA8956、JA8957、JA8959 JA8960、JA8961、JA8963、JA8964、JA8965 JA8966 |
ラストシップ | 運航日 | 便名 | 出発地 | 到着地 | 出発時間 | 到着時間 | |
国内線 | JA8961(国内線仕様機) | 2014/03/31 | NH126 | 那覇 | 羽田 | 12:35 | 15:00 |
国際線(定期便) | JA8958(国際線仕様機) | 2011/01/03 | NH206 | パリ | 成田 | − | − |
国際線(チャーター便) | JA8958(国際線仕様機) | 2011/03/21 | NH1987 | グアム | 成田 | − | − |